すでに十年以上も続いているMMORPG、FF14。
現在では国内、海外を問わず大勢の人々がプレイし、有力タイトルとしての地位を確固たるものとしています。
・・・が、そこに至るまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。
「近年まれに見るクソゲー」
「FFブランドの失墜」
「プレイしてる人間は、もはやボランティア」
世に出た当初は、こんなボロクソな評価を受けていたのです。
クソゲーのレッテルを貼られたわけだな。
これじゃ、やってる人間なんてほぼ皆無だったんじゃないか?
そのとおり。
だから当時は、数少ないプレイヤーに配慮して月額課金がタダになったり、サーバーが統合されたりしてた。
始まってすぐ、縮小の一途を辿っちゃったわけだ。
どん底すぎる。
普通なら死亡コースだぜ。
でも、FF14はそこから見事に立て直したのだ!
というわけで、この記事ではそうした逆転劇をサクっと語っていこうと思います!
サービス開始と同時に、阿鼻叫喚の嵐。「FFは終わった・・・」
2009年6月、E3ににおいてFF14が製作中であることが発表されました。
スタッフはFF11の開発メンバーであり、PVのグラフィックもすごい!
世間は新たなMMORPGのビッグタイトル到来へ、おおいに期待を寄せます。
そして2010年9月、FF14の正式サービスが開始します。
・・・が、巷に溢れたのは、喜びや絶賛の声ではありませんでした。
「重い。カクカクだしロードは長いし、なにをするにも手間取る」
「コンテンツがスカスカで、やることがすぐになくなる」
「なんか、マップがコピペばっかりなんですけど……」
どうやらつまらないとかの以前に、明らかな未完成品だったようです・・・。
そりゃあ、みんな文句言うわな。
海外からも酷評・・・メタスコア49点
低評価のさらなる裏付けとして、信頼性の高いレビューを紹介しましょう。
下の画像は、メタスコアというゲーム採点サイトの抜粋です。
見ての通りFF14のレビューであり、49点というスコアが与えられています。
ちなみに、メタスコアの点数はFF7リメイクが87点、FF15が81点となっております。
キツめの評価を受けてるFF15で81点か・・・。
高めに採点されるのかもしれんが、そう考えるとFF14の49点はさらに価値が低くなるな。
地に落ちてしまったFFブランド
このように、FF14は国内外でクソゲーの烙印を押され、開始当初に押し寄せた人の波はすぐに勢いを失いました。
半ば意地で続けている人たちのみとなり、FF14の運営はお詫びという意味で無料期間を延長します。
・・・が、MMOとは人が集まることを前提としたゲームです。
プレイしている人が一握りという状況は、ゲームとして成り立たないことを意味します。
ほぼ虫の息であり、大作シリーズにふさわしくない醜態を晒し続けるFF14。
それを見て、こんな感想が世に溢れました。
「FFは終わった・・・」と。
そのようにして、世間の人々はFF14、ひいてはスクウェア・エニックスという会社に失望しました。
期待が大きかっただけに反動も激しく、当時はネットのあちこちで会社やスタッフへの誹謗中傷が拡散されることとなります。
みんな不幸になっちまったわけか・・・。
とても悲しい。
――が、それは話がここで終わってしまったらの話!
FF14は、墓に片足突っ込んだこの状態から、驚きの建て直しを図ります!
開発体制が一新! 吉田プロデューサーがFF14を再建する!
2011年1月、FF14の開発チームが再編成されました。
それまでの責任者はほとんど去り、ゲームを根本的に作り直すことが宣言されます。
そのままサービス終了させて損切りする道もあっただろうに、再建を選んだのか。
多大なコストをかけてでも、信頼を取り戻すほうを選んだんだろうね。
結果的にこの選択は大正解だったけど、当時としては確かに危うい判断だったと思う。
FF14の歴史を語るなら、この人の存在はかかせない! 吉田氏の登場
新しくプロデューサーとなった吉田氏は、徐々に、しかし着実にFF14を作り変えていきます。
改革の主軸とされたのが、「まずは安定して遊べるようにする」という目標。
これによって動作やシステムが改善し、遊ぶ導線も整えられ、少しずつまともなゲームとなっていきます。
元来の尖った部分が消され、他の有力MMORPGに似せたシステムが採用されていきましたが、吉田氏への非難や反発はほとんどありませんでした。
改修前のFF14がそれほど酷かったためですが、もうひとつ大きな理由があります。
それは、吉田氏が動画の生配信などを通して、ユーザーとコミュニケーションを密にとっていたこと。
吉田氏は『なにを、どのように、いつ改善するか』という説明を、生配信で丁寧に行いました。
そして約束したことを、着実に実行してきます。
これによってユーザーは、「あ、このゲームは着実に良くなっていくな」という安心を少なからず得られたのです。
吉田氏か。今でもプロデューサーやってる人だよな?
テレビに出てたから、単に目立ちたがりの人だと思ってたが・・・。
情報発信を自分の仕事としてるみたいだから、目立つのは当然のことなんじゃない?
それに生の動画配信は今でも続いてて、その中でユーザーの要望を聞き、それに基づいたアップデートをやったりもしてるし。
なるほど。プレイする側の意見を直に汲み取ってくれるってわけか。
確かに、そういう人間が開発のトップにいたら、支持するユーザーも多いかもな。
新生FF14の発表。――そして、旧FF14の終了
2011年10月、現行のFF14は近いうちに終了とし、『新生FF14』として完全に作り直されることが発表されます。
――物語の舞台や世界観設定は引き継がれ、キャラクターの外見データも持ち越せる。
けれど、古いFF14は完全に終了する。その部分の再プレイも不可。
それが運営からのアナウンスでした。
つまり、これまでのFF14と新しいFF14は別物であり、前者は二度とプレイできなくなるわけです。
よくわからん話だな。建て直しは上手くいってたんだろ?
なんで従来の部分を切り捨てて、ゼロからゲームを作り直す必要がある?
なんでも、ゲームの根っこのシステムに不具合があったんだって。
そして動作の重さを改善するには、そのシステム自体を作り直す必要があったわけ。
でも当時のFF14は欠陥のあるシステムを土台としてるから、それ抜きには存続することはできない。
だから――。
完全にやり直すしかなかったのか。
ほかに選択肢はなかったんだろうが・・・大胆な決断だな。
金もかかるだろうに。
会社自体も、FF14の再建に賭けてたんだろうね。
現実世界とゲーム世界のリンク!? 隕石がFF14をリセットする!
そして、新生FF14の発表以降、現行のFF14のほうではアップデートによってストーリーが急展開します。
旧版のサービス終了に合わせて、『隕石が落ちてきて、やがて世界が崩壊する』という物語が始まったのです。
――普通のゲームでこんな流れになったとしても、「どうせ、どうにかなるんだろ」と思うことでしょう。
が、この場合は違います。
旧FF14は、本当に終わることがリアルで決定しているのです。
ゆえに、ゲームの中の世界が終わることも、また必然。
このリアルとゲームの密接なリンクを象徴するのが、当時のログイン画面です。
ご覧のとおり、隕石(ダラガブ)が衝突するまでの時間――つまり、世界が終わるまでのリミットが、明確に示されています。
これは面白い趣向だな。
一旦サービス終了するのを逆手に取ったわけか。
普通に終わるネトゲだったら、こんな派手なことできないよね。
そういう意味でも、この旧FF14の幕引きは衝撃的だった。
当時プレイしてなかった私も、「ヤケクソで祭りみたいなことやってるなぁ」って思ったし。
2012年11月。とうとう、旧FF14が終わるときがやってきました。
隕石が落下してゲームの中の世界が破壊され、リアルでも全サーバーがシャットダウン。
旧FF14は盛大に幕を下ろしたのです。
世界終了の演出が話題を呼び、最終日は無料でログインできるとあって、最後のときはサーバーが落ちるほどにプレイヤーが殺到したのだとか。
そして新生へ・・・。生まれ変わったFF14が始まる!
2013年8月、幾度ものβテストを経て、新生FF14がサービスを開始しました。
根本から作り直されたゲームはあらゆる要素が劇的に改善されており、多くのユーザーを驚かせることとなります。
「グラフィックはほとんど同じなのに、ウソみたいに動作が軽い」
「キャラがジャンプができる!?」
「FF14はマジで生まれ変わった」
好評の声はすぐさまネット上に広まり、新生FF14を始めようとする人が続出します。
そのせいで、開始後はまともにログインできない状態が続いてしまったほどです。
ちなみに新生版FF14のメタスコアは83点でした。
安定した成長軌道に乗る
そして、以後のFF14はその高評価を保ったまま、順調に成長を続けていきます。
- 2015年6月、大型拡張第一弾、『蒼天のイシュガルド』発売。
(メタスコア86点) - 2017年6月、大型拡張第二弾、『紅蓮のリベレーター』発売。
(メタスコア87点) - 2019年7月、大型拡張第三弾、『漆黒のヴィランズ』発売。
(メタスコア90点) - 2021年12月、大型拡張第四弾、『暁月のフィナーレ』発売。
(メタスコア90点)
それらの大型アップデートを経るごとに、プレイヤーの数は右肩上がりで増え続けていきました。
新生直後は30万人ほどだった登録者数が、およそ9年後の2022年10月には、2700万人に達しています。
通常、こうしたオンラインゲームではサービス開始直後から数ヶ月がピークであり、その後のプレイ人数は下降していくという傾向があります。
それを踏まえると、常にプレイ人口を増やし続けているFF14は、まさに驚異と言えるでしょう。
これは吉田プロデューサー率いる開発チームが有能であり、かつ驕らずに運営を続けている証でもあります。
そうした磐石の体制が信頼を生み、FF14の人気を不動のものとし、新たなプレイヤーを呼び込む流れを作っているのです。
まとめ
以上、FF14が辿ってきた歴史でした!
歴史と言っても、ほとんどが旧版の解説だったが・・・。
いやだって、新生後は順調すぎて逆に語ることがないんだよね。
そりゃ、なにもかもが絶賛されてきたわけじゃないけど、運営を揺るがすほどのトラブルや事件は皆無だったし。
まあ、ユーザーからすればいいことではある。
というか、それだけ死に掛けからの復活劇が印象的だったってことだな。
その後の躍進が霞んじまうくらいには。
そうだね。この件はゲーム業界以外にも注目されてて、組織運営やビジネスの観点から、今でもちょいちょい話題になってるみたいだし。
で、そんな声が多かったのか、吉田PはFF14改革の話を本にしています。
もっとリアルで詳細な事情を知りたい、本人の視点からマネジメントの話を聞きたい、という方は読んでみることをオススメします!
宣伝をしたところで、『【旧FF14】クソゲーが神ゲーに生まれ変わった!? 吉田Pの大改革』、の記事をたたむとしよう。
シーユー!
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